【前回のあらすじ】
午前中、看護師さんと看護学生が見守られながら歩行練習をするも記録10歩で挫折。やばたにえん。
午前の歩行練習後、看護師さんが「点滴の針を抜きましょう」と言ってくれた。
ちょっと怖いけど、チューブだらけの身が少しでも自由になるのは嬉しい。
この日、初めての看護実習という看護学生が見学にやってきていた。ピュアなキラッキラした目でご挨拶をしてくれた。
お嬢ちゃん、たくさん学んで立派な看護師さんになるんだよ…。
看護師さんが、手にがっちり固定されていたテープを外す。針抜くの痛いのかなぁとドキドキしていたら、どんどん 優しい励ましの言葉をかけてくれた。優しいなぁ。
そう思っている内に、いつの間にか針が抜き終わっていた。
え、全然痛くない…看護師さん…しゅごい!
右手の腕に続いて、左手の甲の針もすんなりと外してしまった。凄腕!
血が止まったところで脱脂綿とテープをペタッと貼ってくれた。
これで両手が動きやすくなったぞ。わーい。
次に、お腹の手術跡に異変がないかチェックされた。
傷口の上に脱脂綿やシールが貼られているのでハッキリとは見えないが、ビビリの私は常に見ないようにしていた。
見なければ、傷は存在しないも同然だからね!!
なのに、この時ばかりはお腹の方をチラッと見てしまった。
怖!チューブがお腹に刺さってるやん!
看護師さんは「大丈夫ですよ。脱脂綿があるので見えませんよ〜」と優しくなだめてくれたが、
「ダメっす…イマジネーションがぁぁああ…!!」ガクッ
人間の想像力は無限大!チューブの先がコットンの下に隠れていようが、怖いものは怖いのである!
(このヒドい有様に、さすがの看護師さんも吹き出していた。)
続いては、硬膜外麻酔が刺さっている背中のチューブをチェック。
背中を見せるために上着を脱ぎたいが、未だに着ている手術着の裾が長いためなかなか脱げない。
体勢を変えるためにベッドの柵を掴み、腕の力を使って身体を動かす。
ちょっとずつしか動けないので、何度も柵を掴んで踏ん張った。
すると、左手の甲からピリッした痛みを感じた。
エッ!手から血が出てるんですけどぉおおお!!
脱脂綿から血が滲み出し、赤いしずくが滴り落ちていたのだ。
看護師さんが慌てて止血をしてくれるが、ベッドには点々と血痕がついていた。
あっ、もう無理です… ふぇぇ…バタリ
そんな様子を、ピュアな看護学生は慈悲深い目で見つめていた。
大人の威厳はゼロにて終わった。
【次回】
午後の歩行練習でリベンジしてやる!倍返しだ!
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