【前回のあらすじ】
ついにドレーンを抜く時が来た!1cmの太いチューブが、傷跡にめり込んでいるのである。怖い。
▼謎の赤いパック、ドレーンとの決別
ついに、先生より「じゃあドレーンを外そうか」とお告げがあった。
ドレーン・・・
体腔内に溜まった水分、血液、リンパ液、膿瘍などを体外に排出するために用いられる管(チューブ)。
見た目は点滴のような透明パックに鮮血色の液体、そこにドレーンと呼ばれる幅1cmのチューブがついているのだ。
とっても禍々しい。怖。
そんな気持ちとは裏腹に、固定していたテープと脱脂綿がどんどんと剥がされていき傷口があらわになる。
手術後からずっと見てみぬふりをし続けていたが、ついにチラッと見てしまった。
ヒエッ!チューブが左傷にINしてる…!
ずっぽしと、傷口に極太チューブがぶっ刺さっていたのである。
こんなの抜くの!?
さぞかし痛いんでしょ!?
麻酔もすっかり切れ、自分もいわばシラフ状態である。
正気で耐えられるのか…!?
先生「ドレーンを固定していた糸が少しありますので、まず抜きますね」
私「え?糸!?痛いんですか…!? 」
抜糸がないと油断してたが、こんなところに隠れていたとは…!?
先生「そういえば、あの猫ちゃんのぬいぐるみ可愛いですねぇ」
急に先生が、猫ちゃん(入院のお供)の話題をふってきた。
ご存じの通り、可愛いんですよ(今はベッドでお留守番)
先生「普段、患者さんの私物はもちろん触ったりしないんですけど…」
先生「ちょっと猫は触りたいと思いましたね」
えっ!
先生も猫派!?
無類の猫好きとしては、同じ派閥の人間が見つかるとテンションが上がってしまう。
私「そうなんですよ!もうね、毛もフワフワでね、入院中毎日撫でてますぅ!」
先生「ふむふむ」
私「手術のご褒美に猫を飼うんです。それで、全世界に私の猫の可愛さを自慢するためにYouTubeに動画を投稿しようと思って…」
猫チューバーに…
おれはなる!!
先生「はい、糸抜けましたよ」
猫の話に夢中になっていたら、いつの間にか作業が進められていた。
痛みLevel 1
言うても細い糸だからか、あまり痛みはなかった。
続いて、ついに極太ドレーンのお出ましだ。
まさにラスボスにふさわしいヤツである。
コイツはさぞかし痛いんでしょ!?ねぇ!?
先生「それで、どんな猫を飼うんですか?」
私「えっ?雑種一択です!猫ってすべての猫が可愛いんですけど、雑種が一番好きなんです。保護猫から引き取ろうと思ってます。やっぱ行先のない猫を幸せにしなくては、と思うんですよねー」
質問1つに対し、10くらい返答していたと思う。
私「先生の好きな柄は何ですか?」
先生「そうですね、三毛猫ですかね」
私「さすが、お目が高い!三毛猫はほぼメス猫なんですよね。通常、三色の毛並みを持つにはメスの染色体じゃないと持てないのですが、オスの三毛猫の場合は突然変異でないと…」
先生「詳しいですねぇ。正常な雄は性染色体がXYですからねぇ…」
さすがお医者さん!猫知識も詳しい!
猫ウンチクでラリーが続く。
先生「はい、ドレーン抜けましたよ」
またしても猫トークに夢中な間に、事が終わっていた。
痛みLevel 3
抜く瞬間はちょっと痛かったが、抜いてしまえばこちらのもの。
事後は我慢できる程度の痛みだった。
怖いどうの言う前、猫に夢中でおしゃべりをしてしまった。
結果、気が付けばマシンガントーク作戦になっておった…。
A先生は、この作戦をわざと誘発させていたのである。
なんて策士だ、恐るべし…
ドレーンを抜いた傷跡には脱脂綿、ほかの傷口にはかなり簡易的なマスキングテープみたいなシールをぺたぺたと貼られた。
そして先生から「順調に治っていますよ」とお墨付きをいただいた。
でも、そういえば当初の退院予定日は明日だったはず。
まだよちよち歩きだし、硬膜外麻酔も付けたままだし、どうなんだろうか。
私「ちなみに、いつぐらいに退院できそうでしょうか?」
先生「あさって退院しましょう」
YATTA! YATTA!
お家に帰れる!
想像よりも早い退院日にびっくりしたが、もうそこまで体調が回復していると思うとやはり嬉しかった。
やんなるくらい健康だ
Everybody say やったー!
【次回】
体調一変、身体が重くて朝全く起き上がれない!?アタシ、ガリバーになっちゃったの!?
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