【前回のあらすじ】
猫の可愛さにウツツを抜かしている内に、ラスボス"硬膜外麻酔"とオサラバできた。ついに自由の身となったぞ!
▼退院日の朝
この日の目覚めは快適で、朝ごはんもおいしく食べられた。
ここ数日は痛みが耐えられる程度になってきたので、薬を飲む回数も減ってきている。
お腹の痛みは減ったが、今度は背中が筋肉痛になってきた。動く時に、腹筋を使わないようにと無意識にかばっているようだ。
そんな状態ではあるが、ついに相棒の点滴スタンドを返還することにした。
ずっと前から歩行器としてしか使用していなかったが、もう退院するのに頼りきりではいけない。
自分の力で歩かねばならないのである。
リハビリを兼ねて、スタンドなしでトイレへを目指すことにした。
まずは、ベッドの柵を使って立ち上がる。よいしょっと。
そして2〜3歩、前へ進む。
うわ、キッツ!
いつもスタンドに体重を預けていたので、自力で立っているのが予想以上にキツイ。
身体はずっしり重いし、それだけで息が苦しいのである。
のそ、のそ、のそ、と歩いてトイレへ行く。
何とか到着し、座って一休みする。(洋式でよかった)
ただ行って帰ってくるだけなのに、結構な疲れを感じてしまった。
相棒よ、いつもお前が頼りだった。
失ってからよく気づくものである。
▼お支払いへGO!
だがしかし、私は本日のお昼に退院する身。
ずっと甘えてはいられないのだ。
ちょうど退院前に医療費の支払いがあるため、リハビリを兼ねて行くことにした。
8階の病室から1階の受付まで、およそ300歩。距離は売店までの道のりと同じくらいだが、今回はスタンドがいないぶん不利である。
時間はたっぷりあるので、ゆっくりゆっくり歩く。
ちょっと苦しいが歩いていけなくはない。
エレベーターに乗り込み1階へ到着。 廊下を歩いていると、お迎えに来た母親と偶然遭遇したので、一緒に向かうことになった。
のそ、のそ、と歩くが、母親の歩くスピードに全然追いつかない。
母はもともと歩くのが遅いタイプで、いつもなら私が先を歩いていたのに…。
そんな弱りきった娘の姿を見て、母の心配性が発症し、
「本当に今日退院?日程を伸ばしてもらったほうがいいんじゃないの?」って、10回くらい言われてしまった。
だが、のそのそと歩き続け、 なんとか受付に到着。
ちゃんと入院代や手術費もろもろの精算を終えることが出来た。
無事クエスト完了! o(`・ω´・+o) ドヤ
任務を終えて気分はスキップだったが、のそのそと歩いてエレベーターに乗り込む。
これでついに退院か…。
長いような短いような1週間だった。
そう思い出に浸っていると、なんだか急に鼻が…
ヘックシ!
痛ーッ!!
思わずその場で座り込んでしまった。
痛みLEVEL5
くしゃみの衝撃がお腹の傷に響く。
瞬間的に強い痛みがあったが、過ぎてからもズキズキとした痛みが残る。
まさか傷跡が裂けたりしてない!?と不安に思ったが、さすがにそこまで痛くないので大丈夫そう。
横で母はオロオロし、「やっぱ退院延期した方が…」と11回位聞き覚えがあることを言われた。
エレベーターが8階に到着したが、痛みで立ち上がれない。
このまま乗っているわけにも行かないので、赤ちゃんのごとくハイハイで脱出すると、ちょうど目の前に巡回中の看護師さんが…。
びっくりした様子で私を発見し、急いで車椅子を手配してくれた。
人生初の車椅子に乗せられ、ピューッと病室へ戻される。
車椅子って、めっちゃ移動速いんだな。
ベッドに横なって急いで痛み止めを飲み、1時間ほど休憩することになった。
どうやら私ってヤツは、最後まで締まらないヤツなんだなぁ。
とほほ。
【次回】
ついに念願の自宅へ帰還。久方ぶりのシャワーを浴びるぞい!!
◼ランキング参加中◼
↓押してくださると舞い踊って喜びます↓